ライセンスについての紹介

投稿者: | 2014年4月1日

一般的なソフトウエアライセンス(GPL v3、LGPL v3、BSD、MIT、MPL)、
著作権に特化したライセンス(CC)、
文書ライセンス(GFDL)について紹介します。

ライセンスの許諾書などから特徴や要点などを抜粋したものなので、
表現が異なる場合があるのでご注意ください。

<GPL(GNU General Public License) v3>

GPLライセンスはコピーレフトのライセンスとして最も代表的なものです。

~使用許諾条件~

  1. このライセンスは、著作権表示を保持しなければなりません
    著作権が表示された部分は必ずそのままにしなければなりません。
  2. このライセンスは、無保証です
    これを使用した結果いかなる損害が発生しても責任は自分で負わなければなりません。
  3. このライセンスのオープンソース・フリーソフトウェアは、誰でも自由に複製・改変・頒布することが許可されています
    「A1」というGPLライセンスのソフトウェアを入手した場合、
    「A1」に改良を加え「A1’」というソフトウェアを制作し、公開・販売をしてよいということです。
  4. このライセンスのソフトウェアやプログラムを使用した場合は、その制作物もGPLライセンスで配布しなければなりません
    「A1」に改良を加えた「A1’」というソフトウェアは、「誰でも自由に複製・改変・頒布することを許可」しなければなりません。
    この制約は、コピーレフトという考え方です。これがGPLの最も特徴的な部分です。

GPLライセンスは感染力の強さから「ウィルス性」のライセンスとも呼ばれているそうです。

<LGPL(GNU Lesser General Public License) v3>

GPLライセンスの制約を若干緩めたものです。
主にライブラリに使用されているライセンスです。

~使用許諾条件~

  1. このライセンスは、リバースエンジニアリングを許可しなければなりません
    「利用者が利用するための改変およびデバッグするためのリバースエンジニアリング」を許諾しなければなりません。
  2. このライセンスのものを動的リンクとして使用した場合は、そこ以外の部分にはLGPLライセンスを適応させなくてもよい
    あなたが制作した「B1」というソフトウェア(実行ファイル・内部も完全自作)で「C1」というLGPLライセンスのものを使用したい場合、
    「C1」を外部ファイルとして使用するなら、そこ以外の部分はLGPLは関与しません。
    本体の中にLGPLライセンスのものを直接使用した場合は、全てLGPLライセンスにしなければいけません。

<BSD(Berkeley Software Distribution License)>

GPLやLGPLに比べて制約の緩いライセンスです。

~使用許諾条件~

  1. このライセンスは、再配布時には著作権表示および許諾表示を記載しなければなりません
  2. このライセンスは、無保証です

注意事項として、BSDライセンスには「オリジナルBSDライセンス」と「修正済みBSDライセンス」の2つがあります。
「オリジナルBSDライセンス」には元々、「初期開発者を表示する事」という条件が付いていました。
しかし、広告的な意味となってしまうため、後日その条項を削除したもの「修正済みBSDライセンス」が発表されました。
違いは、「オリジナルBSDライセンス」のみ「初期開発者を表示する事」が必須だということです。

<MIT License>

MITライセンスは、BSDライセンスをベースに作成されたライセンスです。

~使用許諾条件~

  1. このライセンスは、著作権表示および許諾表示をすべての複製または重要な部分に記載しなければなりません
  2. このライセンスは、無保証です

この「MITライセンス」は、「X11ライセンス」や「Xライセンス」と呼ばれることがあります。

<MPL(Mozilla Public License)>

Firefoxでお馴染みのMozillaプロジェクトのために用意されたライセンスです。
LGPLとBSDの中間とも言えるようなライセンスで、コピーレフトの思想を持っています。

~使用許諾条件~

  1. このライセンスのソースコードを変更して使用した場合は、その部分はMPLライセンスで公開する必要があります
  2. このライセンスは、LGPLと同じく動的リンクで使用する場合は、本体にまでは関与しません
  3. このライセンスは、MPLのソースコード自体を別ファイルとして使用する場合は、本体にまでは関与しません
    (「LGPLとBSDの中間」と言われる所以)
    制作した「B1」というソフトウェア内の実行ファイルの内部で「C1」というMPLライセンスのものを使用したい場合、
    「C1」というソースコードが独立して1つのファイルとなっている状態であれば、「B1」すべてをMPLにする必要はありません。

<CC(Creative Commons)>

CCライセンスは「著作物全般」に使用できるライセンスです。
「著作権者のクレジット(名前)表記」のみが絶対条件とされ、
他の3つの使用条件を組み合わせる事で、著作権者の希望に沿ったランセンスを明示できます。
CCライセンスの4つの使用条件はアイコンとしても出回っており、視覚的にもCCライセンスだと分かり易いものとなっています。

~使用許諾条件~

  1. 表示:このライセンスは、作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示をしなければなりません
  2. 非営利:このライセンスは、作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、非営利目的での利用に限定しなければなりません
  3. 改変禁止:このライセンスは、作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、いかなる改変もしてはいけません
  4. 継承:このライセンスが付与された作品を改変・変形、加工した場合、元になった作品のライセンスを継承させた上で頒布をしなければなりません

気をつけなければいけないのは、著作権表示が絶対条件だということです。

<GFDL(GNU Free Documentation License)>

GNUがGPLに準じて作った、文書のためのコピーレフトライセンスです。
ウィキペディアの文書と画像の大多数がこのライセンスで配布されています。
条件を守れば、複製・改変して再配布してもよいとなっています。

~使用許諾条件~

  1. このライセンスは、GFDLライセンスの全文を添付しなければなりません
  2. このライセンスは、自分の改変以前を含めたすべての改変履歴をそれぞれの版の著者名付きで添付しなければなりません
  3. このライセンスは、再配布時にGFDLライセンスを用いなければなりません

ライセンスには、制約が強いもの・弱いものなど様々あります。
ライセンスでトラブルにならないように注意して、開発や制作などに役立ててください。

※この記事は弊社の独自解釈です。
お客様に生じたトラブルなどに対して弊社は一切の責任を負いません。

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