屋外用無線LANネットワーク 第1回

投稿者: | 2014年11月13日

今回、あるお客様向けに屋外用無線LANについて提案し、
屋外向け無線LAN APを試験しました。

屋外向けの製品については、
なかなか触れる機会も少なく、
いろいろと考える部分が多かったので、
今回のブログで紹介したいと思います。

数回のシリーズで紹介していきたいと思います。

第1回は無線LAN提案する前の要件等について取り上げたいと思います。

〇屋外の無線LANネットワーク

 弊社では、屋内向けの無線LANネットワークについて
 いろいろと導入を行ってきました。
 例えば、事務所といった狭い範囲の物から、
 ホテルの館内といったある程度広さのものまで行っています。
 
 しかし、今回のお客さんのご要望は、屋外でiPad利用でした。
 
 屋外で無線LANネットワークを構築する場合、
 手法としては大きく2つの方法で行うことになります。
 
 ・メッシュ型の無線LANネットワークを構築する。
 ・広域をカバーする無線APでネットワークを構築する
 
 この2つのどちらかの方法を採用することになります。
 方式の詳細については後程、記事で紹介したいと思います。
 
〇屋外の無線LANネットワークは「エリア」を構築する
 
 現在の一般に普及している1台の無線LANのアクセスポイントがカバーできるエリアはあまり大きくありません。
 せいぜい、アクセスポイントを中心に半径10M程度がカバーできるエリアだと思います。
 この範囲でも室内の利用であれば問題ありません。
 もし、カバーできない場所があったも、そこをカバーするようにアクセスポイントを新たに設置すればカバーすることができます
 
 このように簡単に考えることができるようは、アクセスポイントは有線LANに接続する必要がありますが、
 室内であれば有線LANに接続することも簡単にできるからです。
 
 室内の無線LANであれば、ある範囲を持つ「点(スポット)」を増設することができるのです。

 外での無線LANでも、飲食店やカフェ(ス〇バ)での利用はこのスポットタイプの無線LANと考えることができ、
 セキュリティの確保の課題は残りますが、屋内の無線LANと考え方はあまり変わりません。
 
 ではどういうケースが、屋内の方法論が通じないかというと、
 大学や工場の敷地内全域等、ある程度の広さをもつエリアに対して無線LANネットワークを構築する場合です。
 
 単純に無線LAN APはある一定の広さを持つ「点」なのだから、
 たくさん無線LANのアクセスポイントを置けばいいと考えるのですが、
 いろいろと課題があってうまくいきません。
 
 屋外で無線LANネットワークを構築するということは「面(エリア)」をどう構成するかといことが
 勘所として重要になってきます。
 
 
〇屋外無線LANの勘所
 
 屋外の無線LANネットワークの勘所となる点としては、 
 次の3つが挙げられると思います。
 
 ・利用できる製品が限定される。
  屋外です。雨・風にさらされます。そのため、風雨に耐えられる筐体の製品を選定する必要があります。
  懸念があるのであれば、ハウジング等を行う必要があります。
  
 ・利用する電波が干渉する。
  屋外の無線LANネットワークに利用する電波は周波数帯は2.5Ghz帯を利用する必要があります。
  (一部例外が有ります。5GHz帯の電波でも屋外で利用できるものがあります。)

  この2.5Ghz帯は、IEEE802.11n/b/gで利用する周波数帯で、無線LANで広く使われています。
  そのため、いろいろなところに無線LANAPが設置されていて、空間が電波的に「汚れて」いる状況が発生しています。
  クリーンなチャネルを確保することについては、結構苦労します。
  
  干渉によるパフォーマンスの低下は極力避けたいというのが、やはり本音です。
  無線は有線と違い、電波が見えない存在なのでトラブルシューティング等を行うのはひと手間では済まない有ります。
   
  
 ・誰がつなぎに来るかわからない
  利用範囲が広い状態になるため、誰が無線LANに接続するかわからない状態で運用することになります。
  導入にあたっては、セキュリティとしてどこまで確保するか考える必要があります。
 

次回から、今回紹介した勘所を踏まえた上で、
どの様に検討を行っていけばよいか紹介したいと思います。