弊社では、拠点間を接続するVPNネットワークの構築サービスを提供しています。
通常、拠点間を接続するネットワークを構築する場合、
次のような手段が考えられます。
・インターネット網を利用したVPN接続を利用する
・キャリアの閉域網を利用したVPN接続を利用する
・キャリアの広域イーサネットサービスを利用する
・ダークファイバなどの専用線を利用する
L3やL2の違いや、長所・短所はそれぞれありますが、いろいろなサイトで解説されているのでその辺の説明は今回省略いたいします。
それぞれの方法で共通して言えることは、パフォーマンス(通信速度)とコスト(利用料)はトレードオフの関係になっていてなかなか両立させるのは難しいということです。
今回、パフォーマンスとコストの両方を両立する方法として「フレッツ網内でのIPv6の折り返し通信を利用して拠点間接続する」方法を試験したので、複数回に分けて紹介したいと思います。
○「フレッツ網内でのIPv6折り返し通信」ってなんだ???
「IPv6折り返し通信」という言葉は聞きなれない言葉だと思います。
まず「IPv6折り返し通信」の紹介からしたいと思います。
NTT西日本・東日本の「フレッツ・光ネクスト」のサービスは
NGNというIPネットワークによってサービスが提供されています。
NGN=Next Generation Networkの略称で、
音声通信とデータ通信を1つのIPネットワークに統合したものです。
(開発の背景や成り立ちは省略。)
このサービスでは、Ipv6によりNGNに接続された機器同士での
P2P的な通信を許可しています。
このIPv6でのP2P的な通信のことを「IPv6折り返し通信」と呼んでいます。
※IPv6折り返し通信のイメージ図を挿入
○「フレッツ網内でのIPv6折り返し通信」の特徴
「フレッツ網内でのIPv6折り返し通信」を利用するメリットは
パフォーマンスとコストを両立できるという点です。
具体的には、
・拠点間の通信で遅延が少ない。
・最大100Mbpsや200Mbpsのスループットが期待できる。
(契約によって異なります。)
・フレッツ・光ネクスト回線のみでサービスが利用できる。
・ISP の契約が不要。
といった点が挙げられるでしょうか。
(コスト面でのメリット)
以前、パフォーマンスを優先して2拠点間をダークファイバを利用するプランで
NW設計して積算しましたが、維持コストの面から断念したことがあります。
1年間の最低利用期間付きで月額約16万円程度のコストが必要でした。
(↑この料金はキャリア・諸条件で異なると思います。あくまで参考までに。)
ダークファイバに比べればフレッツ・光ネクストの回線であれば、
月額6,000円×2拠点分=12,000円程度の利用可能です。
(パフォーマンス面のメリット)
今回の弊社の試験では、2拠点間の接続で約80Mbpsのスループットが確認できました。
※契約上100Mbpsが上限。
※詳細なパフォーマンスについては、別項で紹介します。
閉域網でのVPNやインターネットVPNでは20~30Mbps程度のスループットと比較した
よりも高速である事が確認できました。
○次回から・・・
次回から、「フレッツ網内でのIPv6折り返し通信」について
準備・接続方法・VPNの構築方法といった詳細について
説明していきたいと思います。
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